TOP > 雑記 > Printing-NIKKORによるマクロ撮影(4倍撮影テスト)
Posted: 10 Sept. 2023
オプチカルプリントやラインセンサ用に使用される極めて高性能なレンズであるPrinting-NIKKOR(プリンティングニッコール)を用いて簡単な4倍撮影テストを実施してみました.
高性能スキャナーレンズである「DiMAGE Scan Elite 5400 Scanner Lens」や引き伸しレンズ「EL-Nikkor 50mm f2.8N」「EL-Nikkor 80mm f5.6N」との比較も行いました.
Printing-NIKKOR 95mm F2.8の基準倍率は順付けで1/2倍,逆付けで2倍ですが,ここでは敢えて「4倍撮影」を実施してみました.なお,2倍撮影テストのときに順付けの場合は端部に画質低下が見られたので,ここでは順付け4倍のテストは省略しています.
同時にDiMAGE Scan Elite 5400 Scanner LensとEL-Nikkor 50mm f2.8N及びEL-Nikkor 80mm f5.6Nによる撮影も行い比較してみました.
全体像では差異がわかりにくいので中央部(center)と端部(corner)を切り出して一覧表示してみました.
感覚的には中央部は画質の良い順に「Printing-NIKKOR(A) > Printing-NIKKOR(無印) ≒ DiMAGE Scan Elite 5400 Scanner Lens > EL-Nikkor 50mm ≒ EL-Nikkor 80mm」という印象です.
端部は画質の良い順に「Printing-NIKKOR(A) > Printing-NIKKOR(無印) ≒ EL-Nikkor 80mm > EL-Nikkor 50mm > DiMAGE Scan Elite 5400 Scanner Lens」という印象です.
4倍撮影でもPrinting-NIKKOR(A)の逆付けが最良の選択肢ですが,レンズの繰り出し量が非常に長くなってしまいます.中央部重視ならDiMAGE Scan Elite 5400 Scanner Lensの方が実用的かもしれません.
これまでは微動撮影装置WeMacroにカメラを取り付けて,カメラを微動させながら深度合成していましたが,この長さになると微動時のわずかなブレが大きく影響するので,カメラは三脚に固定し,標本側のステージをWeMacroに取り付けて微動させるセッティングに変更しました.
Printing-NIKKOR 95mm F2.8A(逆付け)を用いて,アオカナブンを深度合成してみました.
基準倍率を大きく超えていますが非常に美しく描写できている印象です.この倍率ではこれまでDiMAGE Scan Elite 5400 Scanner Lensを使っていました.DiMAGE Scan Elite 5400 Scanner Lensではどうしても端部の描写が甘くなりますが,Printing-NIKKORでは隅から隅まで非常にクリアです.
4倍の結果が良好だったことから,6倍での撮影も試みました.
焦点距離95mmのレンズなので6倍だとレンズの繰り出し量が非常に長くなります.ベローズ2段付け+中間リングでなんとか6倍にしてみましたが,このセッティングは非常に不安定で微ブレを止めることができず,うまく撮影することができませんでした.
ただし,ブレさえなければ6倍でも結果は良好に見えました.レンズの限界というより装備の限界から実用範囲は4倍までになりそうです.