Printing-NIKKORによるマクロ撮影(2倍撮影テスト)
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Posted: 9 Sept. 2023
Printing-NIKKOR 95mm F2.8の2倍撮影テスト
オプチカルプリントやラインセンサ用に使用される極めて高性能なレンズであるPrinting-NIKKOR(プリンティングニッコール)を用いて簡単な2倍撮影テストを実施してみました.
高性能スキャナーレンズである「DiMAGE Scan Elite 5400 Scanner Lens」や引き伸しレンズ「EL-Nikkor 80mm f5.6N」との比較も行いました.
テストの方法
- カメラはNikon Z 6(フルサイズセンサー)を使用しています.
- サンプルは一万円札としていますが,単写ではピントを全面に合わせることが困難なので,ピントを微小に変化させながら10枚撮影し,深度合成を実施しています.
- 深度合成にはAffinity Photoを使用し,合成後の画像調整は実施せず,品質50のjpgにて保存しています.
- 照明はいずれの場合も同じにしていますが,ワーキングディスタンスがレンズごとに異なるため,光の回り方には若干差が出ます.
- EL-Nikkor 80mm f5.6Nは絞り開放(公称F値5.6)に設定しています.
- EL-Nikkor 80mm f5.6Nは逆付けにて使用しています.
- Printing-NIKKOR 95mmは前期(無印)型・後期(A)型とも公称F値4に設定しています.
- DiMAGE Scan Elite 5400 Scanner Lensには絞りはありません.
2倍撮影テストの結果比較
Printing-NIKKOR 95mm F2.8の基準倍率は順付けで1/2倍,逆付けで2倍です.ここでは敢えて「順付けでの2倍撮影」も実施してみました.
同時にDiMAGE Scan Elite 5400 Scanner LensとEL-Nikkor 80mm f5.6Nによる撮影も行い比較してみました.
Printing-NIKKOR 95mm F2.8 前期(無印)型
Printing-NIKKOR 95mm F2.8 前期(無印)型 順付け
Printing-NIKKOR 95mm F2.8 前期(無印)型 逆付け
Printing-NIKKOR 95mm F2.8 後期(A)型
Printing-NIKKOR 95mm F2.8 後期(A)型 順付け
Printing-NIKKOR 95mm F2.8 後期(A)型 逆付け
DiMAGE Scan Elite 5400 Scanner Lens
DiMAGE Scan Elite 5400 Scanner Lens
EL-Nikkor 80mm f5.6N
EL-Nikkor 80mm f5.6N 逆付け
中央部と端部の比較
全体像では差異がわかりにくいので中央部(center)と端部(corner)を切り出して一覧表示してみました.
中央部(center)と端部(corner)の切り出し位置
中央部(center)一覧表示
端部(corner)一覧表示
2倍撮影テスト結果まとめ
- Printing-NIKKOR 95mm F2.8は前期(無印)型・後期(A)型とも,順付けの場合は端部の画質が著しく低下しています.Printing-NIKKOR 95mm F2.8は順付け2倍では使用しない方が良いと思います.
- 前期(無印)型と後期(A)型では,後期(A)型の方が画質が良く見えます.ただし,使用した前期(無印)型はレンズの状態があまりよくない(カビの混入あり)ことが原因かもしれません.
- DiMAGE Scan Elite 5400 Scanner Lensの描写力も高いです.Printing-NIKKOR 95mm F2.8の前期(無印)型と同程度に見えます.
- EL-Nikkor 80mm f5.6Nは明らかにPrinting-NIKKORやDiMAGE Scan Elite 5400 Scanner Lensに及んでいません.
感覚的には画質の良い順に「Printing-NIKKOR(A) > Printing-NIKKOR(無印) ≒ DiMAGE Scan Elite 5400 Scanner Lens > EL-Nikkor」という印象です.
やはり2倍撮影ではPrinting-NIKKOR(A)の逆付けが最良の選択肢となりそうです.