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テープLEDの導入

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Posted: 30 Nov. 2021

マクロ撮影時の照明


標本撮影時はレンズと標本の距離が近くなり,機材も複雑化することが多いため,自然光だけでは影が出やすく,また光量が不足することがほとんどです.そのためストロボや定常光を使用することになりますが,標本に対して均一に配光するためにはストロボにせよ定常光にせよ複数(多灯)使用が必要になります.

私の場合は定常光で標本撮影しており,電球には演色性も考慮しRa90のパナソニックのLED電球プレミアX 40W型(5000K,E26)を4灯使用してきました.

定常光(4灯)

しかし,定常光はスタンドが必要なので場所をとる,標本とカメラやレンズが近いことによりどうしても均一に光をあてるのが難しい,などの理由から,今回テープタイプのLEDを導入してみました.


テープLEDのセッティング


選択したのはBTF-LIGHTINGというブランドの長さ1m,4000K,USB電源接続,CRI>90のテープLEDです.

選択したテープLED

テープLEDは自由自在に曲げることができるため,標本を囲むように配置することも可能です.

テープLEDの配置

実際は利便性を考慮し,次のように円筒の中にテープLEDを螺旋状に貼り付け,簡単に移動できるようにしています.

【注意】LEDとはいえ発熱はありますので,貼り付ける素材や点灯時間(連続点灯を避ける)などへの配慮が必要です.


テープLEDの実際の運用形態

また,レンズに余計な光が入らないよう,また不要な写り込みを防止するために,レンズが通る程度の穴をあけた黒色の紙で蓋をしています.

撮影時の様子(使用レンズはMinolta AF-5400 Scanner Lens)

これにより,標本に360度全方向から光をあてることができるようになりました.面積が大きく影が出やすいチョウなどでの効果が特に大きいです.

テープLEDを使用して撮影したテングチョウ

テープLEDの使用により,均一な照明を非常にコンパクトに実現できるメリットは大きいと感じます.


テープLEDのデメリット


テープLEDの使用は必ずしもメリットばかりではありません.私が気付いたデメリットは次の通りです.


ただ,デメリットを上回るメリットがあるように感じます.テープLEDは安価に入手できるので,標本サイズに合わせて何種類か作成しておくのが良いのかもしれません.