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Posted: 18 Jan. 2021
Update: 15 Nov. 2021
Z6をPC上で制御したい(テザー撮影したい)場合,Nikon純正のCamera Control Pro 2という選択肢がありますが,いかんせん高価です.
ここではシェアウェアであるdigiCamControlを用いたフォーカスシフト撮影の方法を紹介します.
UPDATE 15 Nov. 2021
その後,微動撮影装置WeMacroを導入したので,digiCamControlは使わなくなりました.
digiCamControlをインストールしたPCとZ6をUSBケーブルで接続するだけで,テザー撮影を開始することができます.
テザー撮影時は電池が消耗しやすいので,私の場合,Z6をAC電源に接続しています.Z6をAC電源で使用するためにはパワーコネクターEP-5BとACアダプターEH-5dが必要です.EH-5dは旧型でも動作に問題はないので,私はEH-5bを使用しています.
パワーコネクターEP-5Bはバッテリー室に挿入するため,充電池にケーブルが付いたような形状になっています.Z6にはあらかじめEP-5Bのケーブルを通すための切り欠きがついています.
digiCamControlを用いると,絞りやシャッター速度の調整,撮影,フォーカス調整などをすべてPC上で行うことができます.PC上にライブビュー画面も表示されます.カメラ背面より大画面なライブビュー画面となりますが,画質は荒いので,厳密なピント合わせを行うにはやや難があります.
「Capture」ボタンを押せば撮影することができ,PCのみに保存,カメラ本体のみに保存,両方保存,なども設定できます.PCに保存するようにしておけば,いちいちXQDメモリーカードから画像を取り出す必要がなくなります(ただし,Captureごとの転送に若干時間がかかります).
ただ,digiCamControlの動作が若干不安定で,ライブビュー画面の拡大が効かない,時々ソフトが意図せずフリーズする,などの症状が出ます.これはカメラの機種やOS環境に依存するかもしれません.
digiCamControlには「Focus Stacking」機能があります.この機能を用いると,フォーカスシフト撮影が可能です.Focus Stacking Advancedでは,撮影の始点と終点のフォーカスポイントをあらかじめ固定して,始点-終点間の分割撮影枚数またはフォーカス送りステップを設定することができます.
Z6本体のフォーカスシフト撮影機能では,始点となるフォーカスポイントと,フォーカスステップ,撮影枚数しか指定できません.フォーカスシフト撮影中は撮影画像が確認できないので,撮影が終了したときに初めて「撮り過ぎた」または「足りなかった」ことが分かります.その点digiCamControlのFocus Stackingは終点を指定でき,撮影中もライブビュー画面が見えるので,撮影の進捗状況も見えるようになります.
なお,digiCamControlのFocus Stackingはカメラ本体のフォーカスシフト撮影機能とは全く別のものなので,カメラ本体にフォーカスシフト撮影機能がなくても使用することができます.
Focus Stacking Advancedは便利な機能ですが,以下の問題があります.
Focus Stacking Advancedの問題点を解決するために,PC自動化ソフトのひとつであるHiMacroExを併用してみました.
HiMacroExはPC上のあらゆる作業をマクロ化することができます.
digiCamControlは各種コマンドにショートカットキーを割り付けることができます.ここでは「撮影(Capture)」に"space"キーを,「フォーカス送り(40ステップ)」に"→"キーを,それぞれ割り当てました.
撮影の流れは次のとおりです.
待機時間は,①ファイル転送にかかる時間を考慮する,②ブレを起こさない,の2点を鑑みて上記のように設定しています.これをHiMacroExのマクロに記述していきます.
この設定でHiMacroExのマクロをスタートさせると,フォーカスシフト撮影が無限に繰り返されます.あとはライブビュー画面を見ながら好きなところでストップさせるだけです.
HiMacroExの併用で今のところ問題は生じていませんが,この手法では撮影中に別の作業をすることはできなくなります.PC上の別のウィンドウが前面に来てしまうと,マクロが最前面に来たウィンドウに対して動作してしまうので撮影を続けることができなくなります.